グループホームではどんな介護をするの？ 詳しい仕事内容をチェック
職種・施設別のお仕事内容
高齢者のための介護福祉施設のうち、認知症の症状を抱えた高齢者を対象にした地域密着型の施設を「グループホーム」と言います。入居者は5〜9人ほどの少人数で共同生活を行い、認知症に対する専門知識を持ったスタッフのサポートを受けながら、炊事、洗濯、掃除などを分担し、自立した生活を送るのが特徴です。加速する高齢化に伴い、今後もますますその需要が拡大するグループホーム。今回は、その特徴や介護士として働く場合の仕事内容について詳しく解説していきます！
グループホームはどのような利用者がいる？
「グループホーム」というのは、認知症の症状を抱えた高齢者が5〜9人の少人数で共同生活を行う施設のことです。介護保険法では「認知症対応型共同生活介護」と呼ばれていて、原則として65歳以上で要支援2〜要介護5までの認知症患者のうち、医師によって共同生活に問題がないと診断された高齢者を対象としています。また、グループホームは社会福祉法人や地方自治体、NPO法人などが運営する地域密着型の介護施設のため、基本的にはその施設がある市町村に住民票を届けている人しか利用することができません。常に見守りが必要な重度の認知症患者や、医療処置が必要な高齢者もまた入居基準の対象外となります。
グループホームで働く介護士の仕事内容
「自分でできることはできるだけ自分で行う」ということを基本としているグループホームでは、入居者一人ひとりにあった介護サービスの提供が求められます。また、グループホームは宿泊型ですので、夜勤があるのが一般的です。では、実際に介護士として働く場合にはどのような仕事が中心となるのでしょうか。詳しく見ていきましょう。
日常生活のサポート
グループホームでは認知症の進行を遅らせるためにも、普段通りの生活を送ることを大切にしています。認知症状の軽い高齢者が多い施設では、食事の支度や掃除、洗濯などは入居者が共同で行うところも多く、その場合には介護士は付き添いなどがメインの仕事になりますが、要介護度の高い高齢者が多い施設では食事や入浴、排せつなどの身体介護がウエイトを占める場合もあることを理解しておきましょう。
リハビリのサポート
施設によっては身体機能の回復や認知症の進行を緩和させるためのリハビリなどに力をいれているグループホームもあります。そうした施設で働く介護士は、リハビリのサポートをすることも大切な仕事のひとつです。
レクリエーションの実施
入居者同士が楽しみながら交流をしたり、体を動かしたりすることを目的としてレクリエーションに力を入れているグループホームも多いようです。その場合、レクリエーションの企画や実施が介護士の仕事として求められることもあります。
グループホームで働くメリット
グループホームは高齢化に伴い年々施設数が増えているため、自分に合った勤務先を見つけやすいという魅力があります。では、実際にグループホームのスタッフとして働く場合、どのようなメリットがあるのでしょうか。詳しく見ていきましょう。
一人ひとりの入居者に深く寄り添える
グループホームは原則として1ユニットの定員が9名を上限としていて、ひとつの施設で2ユニットまでと決められています。特別養護老人ホームや介護老人福祉施設など他の介護施設と比べると少人数のため、一人ひとりの入居者と深く関わりながら長期的に寄り添うことが可能です。
認知症ケアに関する経験を積むことができる
グループホームは原則として認知症状のある高齢者を対象とした施設です。そのため、介護士としての仕事をしながら認知症ケアに関する知識や経験を積むことができるというメリットもあります。
入居者の成長を目の当たりにできる
他の介護施設と比べて少人数かつ長期的に入居者と関わるグループホームでは、リハビリや機能訓練などをサポートすることも多く、入居者の成長を身近で見守ることができます。
他の施設に比べると身体介護をするシーンは少ない
グループホームでは基本的に自分でできることは自分で行うというスタンスを取っているため、認知症状の軽い高齢者が多い施設では他の施設と比べて身体介護の負担が少なくなります。
グループホームで働くには？
認知症状を抱える高齢者の受け皿となるグループホームは、年々施設数が増えているため、自分にあった就職先を見つけやすいというメリットがあります。施設によっては資格を持っていない未経験の方でも応募可能なところもあるようですが、認知症の高齢者を相手にする仕事ですので、より良いケアを行うためには専門的な知識が欠かせません。雇用形態は正社員としても派遣としても働くことができますが、即戦力として活躍するのであれば、まずは介護福祉士の資格を取得するのがおすすめです。
グループホームでの仕事は高度な介護スキルを身に付けたい方におすすめ
高齢者の認知症状の進行を遅らせ、少しでも長く自立した生活を維持できるようにサポートすることを目的としたグループホームは、認知症ケアという高度な介護スキルを身に付けたい方にはおすすめの勤務先です介護業界が未経験で不安という方は、まずは派遣勤務という働き方も選択肢に入れて見てはいかがでしょうか。
