介護に関する資格はどれくらいある？ 種類とそれぞれの特徴
介護士お役立ち情報
介護業界で仕事をするには、必ずしも資格が必要というわけではありません。ですが、資格を持っていた方が、スムーズな業務の遂行や昇給につながるなどのメリットがあります。せっかく介護の仕事に携わるのであれば、何か資格を取ることを目指してみましょう。以下で紹介する資格は一部ですが、興味のわいたものにチャレンジしてみてください。
介護の仕事をするには資格が絶対必要？
介護の仕事は非常に幅広く、特に資格を必要としないものもあります。しかし、資格を持っていると、給与や待遇の面で違いが出てくるなどメリットがあります。介護に携わるのであれば何か資格を持っておくことがおすすめです。また、介護に関する資格は難易度や取得条件などもさまざまなため、自分に合った資格からチャレンジしてみましょう。
介護に関する主な資格とそれぞれの意味
介護についての主な資格や、その資格を取るために必要な条件などを解説します。
介護福祉士
介護福祉士は国家資格であり、直接介護を行う資格の中では最も上位に位置づけられています。現場で利用者の介護をしたりその家族に対して助言を行ったりするほかに、現場の職員たちへの助言や福祉関係サービスとの連携なども担当する立場です。
介護福祉士の資格を取得するには介護の実務経験が3年以上必要です。また、平成28年の改正により専門学校などで2年間の専門教育課程を受けていない場合は、実務研修450時間の受講と修了が義務付けられました。やや厳しい条件が加わったことで、より重要な資格となっています。
介護職員初任者研修
介護の仕事をしようとする時、まず初めに取っておきたい資格です。利用者の体に触れて介護を行うためには必ず資格が必要で、介護施設だけでなく訪問介護の場合にも同様に必要となります。そのために最も取得しやすい資格が、この介護職員初任者研修です。介護職員初任者研修は、3か月程度で取得が可能とされています。以前の資格で例えるとヘルパー2級程度ですが、介護職員初任者研修では施設実習がなくなった代わりに、研修終了後の試験が行われるようになりました。しかし、試験があるからと言って、振り落とすためではありません。内容はそれまでの研修内容を振り返るものになっているため、改めて確認する気持ちで試験を挑戦すれば良いでしょう。
介護福祉士実務者研修
介護福祉士の受験資格を得るために必要な実務者研修のことで、現場では習得しづらい知識や技術を身につけることを目的としています。介護福祉士になるために必要な、介護関連の制度・心と体の仕組み・介護技術などを学ぶ研修です。介護福祉士の資格試験受験前年の12月末までに終了しておくと、翌年1月に介護福祉士の筆記試験が受験できるようになります。
ケアマネジャー
正式名称を介護支援専門員と言い、2000年の介護保険制度導入にともない始まった公的資格です。直接体に触れる介護をするのではなく、介護が必要な人に対してサポートを行うことが主な仕事になります。具体的には、利用者との面談によってケアプランを作り修正も行い、ほかにも施設や福祉関連の業者との間に入って調整を担当する仕事です。そしてケアマネジャーになるには、介護支援専門実務研修受講試験で合格することが必要で、試験問題はマークシート方式にて出題されます。
また、受験資格を得るには3つの方法があり、1つ目に医師・看護師・理学療法士などの特定の国家資格があり実務経験も5年以上あること、2つ目には介護施設などで生活相談員・支援相談員などの相談業務に従事しており、実務経験は5年以上あることです。
その他の介護に関わる資格
介護に関わる資格はその他にもいろいろとあり、取っておくと役立つ資格について一部をご紹介しておきます。
レクリエーション介護士
高齢者介護施設で行うレクリエーションを提供する人材で、自分のアイデアや特技を生かしたレクリエーションで高齢利用者に喜んでもらうことを目指します。資格を取得するには通信講座と通学講座がありどちらでも学べ、添削課題の提出と筆記試験の合格が必要です。
喀痰吸引等研修
介護士が喀痰吸引を行うためには、介護福祉士の資格を取得したうえで喀痰吸引等研修を受けることが必要です。しかし資格を持っておらず今後も介護福祉士の取得は予定していない場合でも、登録研修機関で喀痰吸引等研修を受けると施すことが可能になります。
移動介護従業者（ガイドヘルパー）
各都道府県で行われる研修を終了した者に与えられる資格で、移動介護従事者の仕事は利用者に合わせたサービスの提供です。具体的には、トイレへ移動して排尿や排便の見守り・寒い時など気温に合わせた上着の着脱介助、車いすに座っている時の姿勢の修正などがあります。
介護の仕事をするなら資格を取ろう
介護に関わる仕事をしようとする時には、何かひとつでも資格を取っておくことがおすすめです。中には実務経験が必要な資格もあるため、まずは特に資格を必要とされない派遣勤務などで働いて受験資格を得る方法もあります。介護にまつわる資格はたくさんあるため、国家資格を目指して実務経験を積みながら初歩的な資格を順番に取っていくこともおすすめです。そして、目指す資格を取得してからも、また別の資格を取ることを目指して学習することで仕事の質も高められるはずです。
