知っておくべき介護福祉士とヘルパーの具体的な違いについて
介護士お役立ち情報
介護に関する仕事がしたいと思って求人募集を見ている方のなかには、その種類の多さに驚く方も多いのではないでしょうか。ひと口に「介護職」と言っても、勤務する施設によってさまざまな業務内容があり、必要な資格なども異なります。その中でも特に分かりにくいのが「介護福祉士」と「ヘルパー」の違いです。仕事の内容に大きな違いがないことが一般的ですが、この2つの職業は明確に区別されているのです。今回は、介護福祉士とヘルパーの具体的な違いについて詳しく解説していきます!
介護福祉士とホームヘルパーの大きな違いは資格
「介護福祉士」と「ホームヘルパー」の一番の違いは、資格の種類です。では、具体的にどのような部分が違うのでしょうか。詳しく見ていきましょう。
介護福祉士
介護福祉士というのは、介護福祉系資格のなかで唯一の国家資格で、社会福祉士、精神保健福祉士と並ぶ「三福祉士」のひとつです。国家資格ということは、試験に合格することで「国に認められた介護職」として登録されるため、社会的な信用度は高く、一度取得すれば全国どこでも通用する一生モノの資格と言えるでしょう。ただし、介護福祉士の国家試験を受けるためには受験資格があり、①「介護現場で3年以上働いて実務経験者研修を終了する」、②「福祉系の専門学校などを卒業する」、③「高校の福祉コースなどを卒業する」のいずれかを満たしていなければなりません。
ホームヘルパー
介護福祉士が国家資格であるのに対し、ホームヘルパーの資格は「介護職員初任者研修」という認定資格です。「ホームヘルパー2級」と呼ばれる資格が廃止になったことで、2013年4月から後継資格としてスタートしました。介護職員初任者研修は、自治体や社会福祉協議会、各種団体などで実施している厚生労働省が定めた「介護職員初任者研修」や「実務者研修」を受講することで資格を取得することができます。資格を取得するためには、130時間のカリキュラムを終了後、筆記の修了試験に合格しなければなりません。
仕事内容にはどのような違いがあるの?
介護福祉士とホームヘルパーはどちらも介護に携わる仕事ですから、担当する業務内容はほとんど変わりませんが、働く環境にはやや違いがあると言えるでしょう。その点について具体的に見てみましょう。
介護福祉士
介護福祉士とホームヘルパーは基本的に仕事内容に大きな違いはありませんが、国家資格である介護福祉士は介護のスペシャリストですから、現場の責任者になったり、要介護者の家族に対して介護のアドバイスを行ったりすることもあります。特別養護老人ホームや介護老人保健施設などのなどの施設をはじめ、デイケアなどの通所施設、訪問介護などはフィールドを問わず幅広く働くのも特徴です。
ホームヘルパー
介護福祉士が幅広い現場で仕事をするのに対し、ホームヘルパーは主に日常生活が困難な高齢者や障害者の自宅を訪問し、家事を行ったり、入浴などをはじめとする身体介護を提供するのが主な仕事です。
介護福祉士は役職に就くことも多い
国家資格である介護福祉士は、介護のスペシャリストとして信頼度の高い資格です。特別養護老人ホームや介護老人保健施設、デイサービスなどでは、生活相談員やチームリーダー、サービス提供責任者を配置する必要がありますが、これらの役職は介護福祉士の有資格者でなければならないケースも少なくありません。また、介護福祉士の資格を持っている人は管理職などの役職に就くことも多いため、職場のリーダーとして職員同士のマネジメントなどの仕事をこなす能力も必要になります。さらに、ホームヘルパーのなかには訪問介護ではなく介護施設で働く方もいますが、その場合は介護福祉士の下について仕事をするのが一般的で、介護福祉士はホームヘルパーに対してアドバイスをしたり指導をしたりすることも仕事のひとつです。
お給料にはどのような違いがあるの?
介護福祉士とホームヘルパーの違いのひとつに、給与面での違いです。介護福祉士は基本給以外に資格手当がつくだけでなく、資格を持っていることで役職に就くことが多いため、その場合は役職手当もさらにプラスされます。その結果、ホームヘルパーと比べて介護福祉士の方が給料面での待遇が良いというのが一般的です。ホームヘルパーをはじめ、介護職員として3年以上勤務しているのに待遇が変わらない場合には、介護福祉士の資格を取得してキャリアアップを目指してみてはいかがでしょうか。
キャリアアップを目指したい場合には介護福祉士の資格を取得しよう
介護福祉士もホームヘルパーも、介護が必要な方をサポートするやりがいのある仕事だと言えます。もし、将来的にキャリアアップをしたいと考えているのであれば、介護福祉士を目指してみることをおすすめします。
介護業界が未経験の方で、まずは介護の仕事に就いてから今後のことを考えたいという場合には、ヘルパーの研修を受講してみるのもおすすめです。二つの職種の違いをしっかりと理解して、自分に合った方を選ぶと良いでしょう。