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タイミングは? 要介護者に水分補給をするときのポイント

介護士の働き方・介助のコツ


高齢の利用者に対しては特に積極的な水分補給を促す必要があります。高齢になると身体の渇きが感じにくくなり、水分補給のタイミングが分かりづらくなるからです。そのため、介護者はこまめに飲み物を提供したり、飲むように誘ったりする工夫を行うことが大切です。こちらでは具体的な水分補給のタイミングや促し方についてご紹介します。ぜひ業務の参考にしてみてください。

要介護者にこまめに水分補給を行ったほうが良い理由

高齢の利用者は加齢と共に起こり得る身体の変化によって、体内の水分量が少なくなりがちです。これは、水分量の保持をする筋肉量の減少や水分調節する腎臓の機能の低下、のどの渇きを感じにくくなることなどが原因としてあげられます。知らないうちに体内の水分を失っていることも多いため、高齢者はこまめな水分補給が必要です。中にはトイレの回数を増やしたくないために水分補給を減らしてしまう利用者もいますが、水分不足で脱水になるとより大変な状況となってしまいます。水分は積極的に取るように促しましょう。また、トイレの場所やタイミングを伝えていつでもトイレに行くことができると思ってもらうことも、水分補給への抵抗を軽くする方法です。

要介護者に水分補給を行うときのタイミング

こまめに水分を取るとはいっても、タイミングが合わなければ提供した水分を飲んでもらえない可能性があります。そのため、利用者が水分補給しやすいタイミングでの提供を心がけましょう。例えば食事やおやつの時だけでなく食後にも出したり、30分~1時間ごとに水分の提供をしたりすると良いです。また、午前中は入浴や機能回復運動などがあり、利用者も比較的水分補給がしやすい時間帯のため、30分~1時間の間隔で水分補給を促すのがおすすめです。

要介護者に水分補給を行うときのポイント

高齢者の場合、喉の渇きに気づきにくく提供した飲み物を口にしてもらえないこともあります。そのような場合には、次のような方法で水分補給をすすめてみましょう。

水やお茶ではなくイオン飲料で水分を補う

水分補給には口にしやすいものがおすすめです。中でもイオン飲料は飲みやすい上に水分だけではなくミネラルなどの摂取もできるため、脱水症や熱中症の予防になります。嚥下困難な利用者を除いては、イオン飲料で作ったゼリーも食べやすく好評です。

また、食事の内容や季節に合った飲み物を提供してみるのも良いです。水分補給に使いやすく人気のある飲み物には、緑茶や番茶があり食後にコーヒーが出されると利用者が喜んで口にする傾向があります。また、水分を進めるタイミングも、午前の入浴後に1回と午後レクリエーションの後に1回など、美味しく飲めるタイミングで提供する方法がおすすめです。夏場のように暑い時期であれば、イオン飲料の提供回数を増やしても良いでしょう。

嚥下障害の要介護者の場合、特に注意して水分補給を行う

イオン飲料やお茶などをそのままでは飲みにくい場合、少しとろみをつけて飲みこみやすくし誤嚥を防ぎましょう。嚥下障害の状態により、飲み物のとろみの付け方が違ってきます。飲みこんですぐに誤嚥する恐れがある場合は、ポタージュ状が目安で、飲みこんだ後に誤嚥するかもしれない時はとんかつソース位のとろみにします。そして飲みこもうとしても嚥下ができず誤嚥してしまう場合には、ケチャップ状を目指してとろみ付けをしましょう。

また、イオン飲料のゼリーは誤嚥の可能性のある利用者にはあまり向かないと言われていますが、これはある程度硬い場合の話です。誤嚥の状態に合わせたとろみを付けたイオン飲料ゼリーであれば、利用してもかまいません。

水分補給に対して間接的なアプローチを行う

認知症のある利用者の場合、ただ飲み物を提供しただけでは飲んでもらえない可能性があります。そのため本人が好きで飲みたいと感じるものから、水分補給をするように促しましょう。この時、高カロリーな飲み物やカフェインの多い物は避けるよう気をつけてください。もしどうしても飲み物で水分をとることが難しければ、食事で水分摂取量を増やす方法もあります。

また提供する飲み物が熱いと、やけどの危険もあります。温かい飲み物は、ぬるめにして提供しましょう。それから職員も一緒にお茶を飲むなどして、認知症の利用者が水分補給を行いやすくする工夫も必要です。特に認知症のある高齢者は、衣服を脱ぎ着して体温調整することが難しく、暑い季節でも冬のように重ね着していることがあります。すると水分を失いやすくなるため、水分補給は欠かせないのです。

高齢利用者にはこまめに水分補給を促そう

年齢を重ねた利用者は渇きを気づきにくいです。そのため、介護者がこまめに水分補給をすすめてください。30分~1時間を目安に、イオン飲料やお茶などの水分を提供しましょう。また、午前中は入浴やリハビリなどの活動が多いため、飲み物をすすめやすいです。もし嚥下障害がある場合は飲み物にとろみをつけたり、認知症がある場合には温度や好みにも配慮したりしましょう。拒まず水分補給してもらえるための工夫と対策が大切です。

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